- イベント1種類, 1人1回まで(単純型, simple type)
- イベント1種類, 1人2回以上可(反復型, repeated type)
- イベント複数種類, 1人1回まで(競合型, competing type)
- イベント複数種類, 1人2回以上可(多状態型, multi-state type)
- おわりに
- 参考資料
Therneau先生の書かれたsurvivalパッケージのvignetteの冒頭に、生存時間データの概要が書かれていて、非常に頭の中が整理されたので、それを忘れないように書き留めておく。少し発展的な生存時間解析をされる方にはオススメ。
ここでは生存時間データを、
- イベントの種類(単一 vs. 複数)
- 1人あたりに許容されるイベント発生数(1回のみ vs. 2回以上)
をもとにして4つのタイプに分類している(タイプの名前は勝手につけた)。
イベント1種類, 1人1回まで(単純型, simple type)
例えばイベントが「死亡」の場合、対象者1人につき最大1回しかイベントが発生しないので、このパターンになる。 何のことはない、一般的な生存時間データ。
イベント1種類, 1人2回以上可(反復型, repeated type)
イベントの種類は1種類だが、何回も反復して発生しうる状況。 例えば、増悪・寛解や入退院などがこの種のイベントに該当する。
イベント複数種類, 1人1回まで(競合型, competing type)
発生するイベントの種類が複数あるが、対象者はその中の1種類を1回までしか経験できない。
例えば、
- 心血管関連死亡 vs. 腫瘍関連死亡 vs. その他の原因による死亡
- 腫瘍の再発 vs. 再発前の死亡
のように排他的に定義されるイベントが該当する。いわゆる競合リスク(competing risk)が問題となる状況。
イベント複数種類, 1人2回以上可(多状態型, multi-state type)
例えば、「対象者が再発後に死亡する場合もあるし、再発せずに死亡する場合もある」ような状況では、 対象者は複数のイベントを合計2回以上経験しうる。
複数の状態を行ったり来たりすることができる状況と考えることができる。
おわりに
- 「方針を考えるにはまず分類から」を実感しました。